読書感想文の書き方 - 物語(ものがたり) 2: すきなもの、自分だったら

物語によって私たちは想像の世界に入りこんでいきます。この世界に旅立つ力 (ちから) が「想像力」です。日常のなにもないところから想像の世界に飛び立つのはかんたんではありませんが、面白いお話や不思議なお話を読んだり聞いたりすると、それを入口(いりぐち)にして、ひととき、ほかのことをわすれてその物語の世界にドップリつかっていきます。物語にひきこまれるごとに、言葉に書かれていない風景が目に見え、音が耳に聞こえ、風が体に向かってくるような気がしてきます。そこには言葉だけがあるのに、現実的な五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)が呼び覚まされるのです。

物語の世界に旅立つごとに、つまりこの旅慣れてくるとともに、物語から風景を想像する 「想像力」が豊かになっていくでしょう。また逆に、日常の現実世界に戻ってきたときに、見たものや聞いたりものから物語や洞察を感じる 「感性」も豊かになっていくでしょう。おもしろい物語に出会うほど、想像力と感性の下地になっていきます。

物語に入りこんでいくときのひとつのキーワードが 「自分だったら」 (「わたしだったら」、「ぼくだったら」) です。たとえば登場人物が困難にぶつかったときに、「自分だったらこうすると思う」 とか 「自分だったらこんな気持ちになる」 と、自分の身になって考えることで、その登場人物と一緒に、その状況を疑似体験することになります。ただ、このやり方についてはまた別の機会にふれることにして、今回は入門用にもっとかんたんなやり方、「自分だったら、これもすき、あれもすき」 というキーワードから、読書感想文を展開してみたいと思います。

物語で起こる出来事を、「これもあったらいいな、あれもあったらおかしいね」と親子や兄弟・友達どうしで話しながら、いろいろとふくらませて、どんどん書き出してみましょう。それだけでよいと思います。大人なら結論をきれいにまとめたり、教訓めいたことを導き出したくなるかもしれませんが、こどもはもっと、すなおにかんたんに考えればよいと思います。そんなことよりも、お話の世界をたっぷり楽しんだという思い出ができたほうが、ずっとこどものためになるのではないでしょうか。

書き方

  1. 誰が登場する、どんなお話かを読む人に簡単に教えてあげる。
    そして、何が起こるかを書く。

2. 自分だったら (「わたしだったら」、「ぼくだったら」) …
     自分だったら、これもあったらいいな、あれもあったらおかしいな、と思うことを書いてみる。

3. つづけて3つも4つも書いてみる。

これを 「おばけのてんぷら」 を例に書いてみましょう。

1. このおはなしでは、うさぎのうさこが、てんぷらをつくります。でも、めがわるいので、うっかりころもの中におっこちたおばけにきづかないで、からっぽのてんぷらをつくったり、じぶんのめがねのてんぷらをつくって、がりん、とかんじゃったりします。

2. わたしだったら、ほんとうにおばけいりのてんぷらをつくってたべてみたいです。ふわふわしていたらいいなと思います。でも、おばけをたべてじぶんもおばけになっちゃったらこわいので、はしっこしかたべないかもしれません。

3. きょうりゅうのてんぷらもつくってみたいです。おにくのてんぷらみたいなあじなのかな、おさかなのてんぷらみたいなあじなのかな、と思います。すごくかたくて、がりん、とたべられないかもしれません。でも、おにくのてんぷらもたべたことがないので、こんどたべてみたいです。

チョコレートのてんぷらもたべてみたいです。アイスクリームやかき氷やジュースのてんぷらもたべてみたいです。とけちゃうものは、グミをふくろにして、その中にいれててんぷらにしたらいいと思います。

おたんじょうびのプレゼントを、てんぷらにいれて、てんぷらの中からでてきたらおもしろいと思います。おたんじょうびパーティーでみんなでてんぷらをたべて、みんなのプレゼントがでてきたらいいと思います。そうしたら、わたしはいちばん大きなてんぷらをたべたいです。中で花火がパチパチしているてんぷらだったらびっくりします。

読書感想文って、いつも何から書き始めたらいいのかこまってしまいますが、いちど書き始めて気持ちがのってきたら、こんどはどんどんとまらなくなるものです。ここでご紹介した 「書き方」 の例が、そんなスタートをきるきっかけになればうれしいです。

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