読書感想文の書き方 -自然・科学: たったひとつでいい

自然・科学についての本は、わたしたちの想像もしなかった事実を紹介し、あるいは、わたしたちがそれまで持っていなかったものの見方・着想で何かと何かの共通点や関係を教えてくれます。そこには架空の物語とは違ったリアルさで・子どもたちをひきつけてくれます。

それは、一生行けないような遠い場所でのできごとであったり、気が遠くなるほどチャンスを待ち続けてようやく撮れる一瞬の写真であったりもしますが、単に事実を伝えるということだけではなく、わたしたちに 「うーん、すごい!」 とか 「そうか、そうなっているんだ!」 という驚きを与えてくれます。その驚きはこの世界に対する驚きであると同時に、世界の秘密を新たに知った自分自身への充足感でもあります。

読書(映像でもよいのですが)体験を感想文として書きのこす際には、すこしむずかしい場合があります。作品はさまざまな事実や現象を次々と紹介してくれるのですが、感想文として原稿用紙に向かったとき、その事実や現象を書き写しておしまい、となってしまいがちです。せっかく読んでいたときは驚きの事実にワクワクしていたのに、書くときになると 「それで?」 という次の広がりが思いつかず、いっぺんにつまらなくなってしまう。また、この種の作品は (図鑑がとくにそうですね)、 いろいろな分類や見る角度に次々と話題が変わっていくので、それをすべて感想文に書いていくと、テーマがバラバラになってしまいがちです。

あくまでひとつの方法ですが、ここは力をぬいて、「本全体に対する感想」 というこだわりを捨て、「この読書体験の中で思い出にのこったこと」、つまり、おもしろかったこと、びっくりしたことを一つだけとりあげて、考察してみてはいかがでしょうか。

そして、そのひとつのテーマについて、なぜだろう? とか、◯◯の場合はどうなるんだろう? というように疑問をふくらませ、仮説(予想)をたて、可能なら実験までできると、その子は科学への道を歩みはじめたと言えるのではないでしょうか。

これを 「みんなうんち」 を例に書いてみましょう。この本は、動物が、いろんなかたち、いろんな色、いろんなにおいのうんちをしたり、決まった場所でうんちをする動物やあちこちでうんちをする動物がいたり、うんちをかくすどうぶつやうんちをしてもそのままの動物がいることを紹介しています。でも、ここでは、歩きながらうんちをするシカに 的(まと) をしぼっています。

1. みなさん知っていますか? シカは歩きながらうんちをするのです。カバはとまってうんちをするのに。

2. ぼくは歩きながらうんちをしません。ぼくはにんげんです。あるきながらうんちをすることなんて、いままで考えたこともありませんでした。赤ちゃんは歩きながらうんちをするかもしれないけれど、きたないです。

3. どうして、シカは歩きながらうんちをするのでしょう?シカのうんちは、あんまりくさくないし、ポロポロ小さいからかもしれません。森のなかは家のなかじゃないので、うんちをしてもいいのかもしれません。

4. そういえば、馬も歩きながらうんちをするのを動物園で見たことがあります。馬のうんちはポロポロ小さくありませんでした。馬は草食動物で、草のあるところをあちこち歩きまわるから、うんちをこぼしたままにしていても平気なのかなと思いました。それから、馬はライオンにおそわれたときにすぐに走ってにげるから、歩いたり走ったりうしながらうんちをするのかなと思いました。

5. ぼくも歩いたり走ったりしながらうんちをできるか、実験してみようかと思いましたが、きたないしお母さんにおこられるので、やっぱりやめました。かわりに、トイレでうんちをするとき、ちょっと足をうごかしてみたら、うんちがでませんでした。やっぱりにんげんは、あるきながらうんちをしないんだなと思いました。

いかがでしょうか。 上にも書きましたように、これは書き方のひとつです。どんどん変えていただいて結構です。読書感想文って、いつも何から書き始めたらいいのかこまってしまいますが、いちど書き始めて気持ちがのってきたら、こんどはどんどんとまらなくなるものです。ここでご紹介した 「書き方」 の例が、そんなスタートをきるきっかけになればうれしいです。

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